雪が降る前に…ダンロップのスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02」をドライ路面で試す

スタッドレスタイヤはいつ手に入れるのがいい!?

スタッドレスタイヤは雪が降ってから履き替えるのでは遅すぎです。雪が降る前に履いて、雪が降らなくなってからサマータイヤに履き替えるのが基本。筆者自身について言えば、首都圏でも12月の声を聞いたらスタッドレスタイヤに履き替えて、4月になってからサマータイヤに交換、というのが例年のパターンです。

購入時期も早めがいいでしょう。雪が降ってからでは、スタッドレスタイヤを求めるユーザーがショップに殺到するので、欲しいサイズが売り切れてしまうかもしれないし、タイヤが必要なその日に装着できないかもしれません。

スタッドレスタイヤは特別なタイヤではなく、冬になったら履く冬用タイヤと考えるのが良いと思います。

中でも、高い氷上性能に加えてロングライフ性能のWINTER MAXX02は、毎年早めに交換してウインターシーズンに備える…そんな使い方がオススメです。

WINTER MAXX02は乾いた舗装路で履いても大丈夫!?

DUNLOP 乗用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウィンター マックス ゼロツー)」

では、WINTER MAXX02を乾いた舗装路で履いて大丈夫なのでしょうか。もちろんOK。問題ありません。むしろ新品購入後、少しドライ路面で慣らしをしてからのほうがいいのです。氷雪路でタイヤ本来の性能が発揮できます。これは加硫というタイヤに熱を加える工程で、タイヤ表面にどうしても薄い皮膜ができてしまうからです。被膜が摩耗してからスタッドレスタイヤ本来の性能が発揮されるので、100km程度舗装路面で慣らし運転をすることをお薦めします。

昔のスタッドレスタイヤは、ゴムの柔らかさと氷雪路のグリップ性能はほぼイコールなところがあったので、ゴムが柔らかく摩耗も早かったのですが、ダンロップのWINTER MAXX02は、コンパウンド(ゴム)自体の改良はもちろんのこと、トレッドデザインの工夫で接地面全体がほぼ均一に路面をとらえてくれるため、舗装路でも偏摩耗しにくく、ロングライフ性に優れているのです。さらにWINTER MAXX02は高密度ゴムを採用していることで、耐摩耗性にも優れているのです。

氷雪上で“ギュッ”と止まる性能のみならず、ドライ路面でも“普通に走る”ことが出来る

DUNLOP 乗用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウィンター マックス ゼロツー)」DUNLOP 乗用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウィンター マックス ゼロツー)」

氷雪上でのWINTER MAXX02の性能を思い起こしてみると、特に氷の路面では、トレッド面がヒタッと氷の路面に密着して、ギュっと止まる感覚が出ていました。氷の路面でコンパウンドが柔軟性をみせ、しっかりグリップ性能を発揮してくれる感触がありました。

今回改めてドライ路面でWINTER MAXX02に試乗してみたのですが、印象的だったのは、「普通に走れること」でした。『モチ ロン ギュ』をキャッチフレーズに氷上性能の経年変化の少なさ、ゴムの摩耗の少なさ、凍結路面で密着してグリップと、主に氷雪性能の良さを前面に打ち出しているのですが、じつは案外転がり抵抗が少なく(感覚的に)発進が軽いのです。アクセルを吹かさなくてもスルスルと走り出すことができます。

また氷の路面を均一になるべく広い接地面でとらええるために、接地面圧の均一性を考えて設計されたトレッドデザインは、ドライ路面でも面全体でとらえている感触があり、接地面の広さからくる安定性の高さがあります。MAXXシャープエッジという特殊な3Dサイプがブロックを支えあって倒れ込みを抑え込んでいるのも、ブロック剛性に大きく効果を発揮しています。

DUNLOP 乗用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウィンター マックス ゼロツー)」DUNLOP 乗用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウィンター マックス ゼロツー)」

そんな様々な技術の相乗効果なのでしょう。100km/hで高速道路を走っていても、トレッド面がグニャつく感じは一切ありません。レーンチェンジでハンドルの修正もほとんど必要なし。

今回の試乗はまっさらの新品状態から走り出しましたが、試乗も半ばを越えるあたりから手応えがしっかりしてきて、いよいよスタッドレスタイヤを履いているという感覚が薄くなってきました。

WINTER MAXX02はもともと応答のいいタイヤプロファイルを持っているので、直進付近の手応えと、ハンドルを切り出した時の応答の正確度もあり、思い通りに走ってくれます。

プロからのアドバイス! タイヤを長持ちさせるちょっとしたポイントとは

DUNLOP 乗用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウィンター マックス ゼロツー)」DUNLOP 乗用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウィンター マックス ゼロツー)」

とはいえ、ハンドルの切り方はちょっとだけ丁寧にしてやったほうがWINTER MAXX02の良さが出ると思います。

ウインターシーズンに入った時、エッジやショルダーの傷みが少ないので、氷雪性能の良さをより実感できるはずです。ヒタッと氷の路面に密着する感触。圧雪路面を踏みしめ蹴り出すトラクション感。コーナーでエッジを立てたように踏ん張る感覚。そんな感覚がまた翌年も感じ取れるわけです。

■関連記事:ダンロップ WINTER MAXX 02 氷雪激走インプレッション

蛇足になりますが、WINTER MAXX02には液状ファルネセンゴム(※1)という新軟化剤を採用しています。液状ファルネセンゴムは、コンパウンドのゴム分子と強固に結びついて離れないのでオイル漏れが少なく、4年後もタイヤの柔軟性を維持し密着力が持続。氷上性能が長持ちします。

すり減りにくいコンパウンドであることもWINTER MAXX02の特徴で、これがロングライフ性の理由の一つですが、丁寧なハンドル操作でタイヤを傷めなければ、4年後の氷雪性能がより期待できるというわけです。

(※1:株式会社クラレが開発した新素材)

結論! ダンロップのWINTER MAXX02は日常のドライ路面でも普通に使える!

DUNLOP 乗用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウィンター マックス ゼロツー)」

ちょっと話が逸れてしまいましたが、ダンロップのWINTER MAXX02は接地面圧の均一性と、MAXXシャープエッジと、高密度ゴムの相乗効果で、意識しなければスタッドレスタイヤを履いているとは思えないくらい普通に走れるはずです。

しかもロードノイズもびっくりするくらい少なめです。コンフォートタイヤほどではありませんが、ベーシックタイヤかそれ以上の静粛性があります。ロードノイズの少なさはダンロップの得意とすることころで、スタッドレスタイヤにドライでの静粛性を持ち込んだのはDSXからでした。昔スタッドレスタイヤは特殊なタイヤでしたが、WINTER MAXX02はドライ路面の性能も兼ね備えたスタッドレスタイヤになっているのです。

【動画】ダンロップ「WINTER MAXX 02」斎藤聡が極寒の北海道を激走インプレッション!!

筆者   斎藤 聡
特に自動車の運転に関する技術、操縦性に関する分析を得意とする。平たくいうと、クルマを運転することの面白さ、楽しさを多くの人に伝え、共有したいと考えている。そうした視点に立った試乗インプレッション等を雑誌及びWEB媒体に寄稿。クルマと路面との接点であるタイヤにも興味をもっており、タイヤに関する試乗レポートも得意。また、安全運転の啓蒙や普及の重要性を痛感し、各種セーフティドライビングスクールのインストラクターも行っている。
カメラマン   原田 淳
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