いつものスマホアプリをキレイな大画面で使えるディスプレイオーディオでドライブしてみた|パイオニア・カロッツェリア

スマホが大きく変えた運転環境に対応するディスプレイオーディオ

最近、信号待ちからの再発進の時、なかなか発信しないクルマが増えたような気がしませんか? 10年前に比べると確実に10秒、いや8秒…。待っている時の時間は長く感じるものですから、5秒くらいにしておきましょうか(笑)。

というわけで、少なくても5秒は確実に長くなってるし、あるいはまったく気が付いてくれないので、もう仕方ないという気持ちでクラクションを鳴らすなんていう機会も増えてきていたりしませんか? これってたぶんスマホのせいだと思うんです…。

いわゆるガラケーの時代からこの傾向は始まってましたけど、スマホになってからかなり顕著になったと思います。でもね、見たくなる気持ちもわかるんです。ガラケーの時は、携帯メールと電話くらいでしたけれど、いまはもうそのメールにしたって、パソコンのメール、携帯のメール、ショートメール。さらにはSNSを使ったメッセンジャーに、LINEに、WeChatにと、いったいいくつ連絡手段があるんだか…。国境を超えて時間を超えて、スマホひとつでできることが増えちゃったんですよね。

もちろん! ナビだってしてくれます。グーグルマップから始まり、iPhoneのMAP、いわゆるカーナビアプリもた~くさんありますから。「だったらもう、カーナビなんていらなくない? スマホがあればそれでオッケーじゃん?!」っていう声も、いろんなところから聞こえてくるようになりましたし、なんたってカーメーカーもオプションではなく、標準装備でディスプレイオーディオという名のナビっぽいものを装着してくるところも出てきたくらい。端的に言えばこれ、スマホの小さな画面を大きく映し出して見やすくして、いくつかのアプリをその大きな画面を使ってコントロールできるものなわけで、それをカーメーカーがつけてきちゃう時代なわけですよ。

だったら! ナビゲーションシステムの長~い歴史を持っているパイオニアだって、34年前の1986年からカロッツェリアブランドをやっているパイオニアだって! 誕生当初から続いている高級ブランドのイメージに恥じないような、すんごいディスプレイオーディオ作っちゃえばいいんじゃないの? という話ですよね。そこで、登場したのが今日ご紹介するディスプレイオーディオと、タブレットAVシステムなんです。

スマホの機能を車内で便利に使えるのがディスプレイオーディオ

スマホってもはや、高性能なパソコンを連れて歩いているようなものだと思うのですが、さすがに運転中にあの画面の大きさだと見えにくいですよね。置く場所に困るクルマもたくさんあると思いますし、例えあったとしても、ナビとしていちばん見やすい最適な位置に置けない場合も多いですよね。さらに、運転中に画面を押して操作するとなると、画面が小さいとやりにくいし、そんなこんなでモタモタしていると、よそ見をしている時間も長くなりがち。運転時にスマホを使用した際の罰則も厳しくなりましたが、たしかにモタモタしてると気もそぞろになり危ないし、必要なものにたどり着くのに手間取ってるとイライラもするし、運転環境にとっていいことひとつもありません。

というわけで、今日ご紹介するのはパイオニア カロッツェリアのディスプレイオーディオ「DMH-SF700」。本体は1DINサイズですがフローティングで高精細な9インチモニターがついています。スマホとリンクするApple CarPlayとAndroid Autoに対応していて、クルマの中でいつものアプリがササッと使えちゃいます。しかも合法的に。もちろん使えるからってよそ見ばかりしていると危ないですが、画面も大きいし、使えるアプリもわざと制限されているので、より安全に使うことができるように設計されているんです。

そうか、そんなに便利なのか~、というわけで、早速使ってみることにしました。だって、ちょっと意地悪っぽいけど、単なるモニターと考えるならば自動車メーカー純正のものとどこが違うのかも知りたかったんですもの。

いつものアプリが9インチの大画面でスムーズに使える

まず画面がフローティングしていることにビックリしました。だから9インチという大画面が実現できちゃったんですよね。見やすさ&使いやすさとなると大きい方が有利ですから。私は普段iPhoneを使っているので、Apple CarPlayを使ってつなぎました。

最初に驚いたのは、なんたって画面がキレイなこと! やっぱりいつも目をやるものですし、なんたって私は自他ともに認める極度の方向音痴ですから、画面は精彩キレイな方が安心感も高いというわけです。ちなみに余談ですが、実は4年前まではアンドロイドスマホを使っていました。どちらも長所短所があり…って、おっと。この話は長くなりそうなのでまた今度にしますけど、iPhoneに標準装備されているMAPアプリって、なんで音声案内が翻訳風というか、途中で切れてる感強めというか、ぶっきらぼうというか、不思議な感じがしませんか? もちろんこのディスプレイオーディオでは、グーグルマップも、ヤフーカーナビ等々のアプリも使えますので、お好みのものを使ってくださいね。このディスプレイオーディオは、音声認識にも対応しておりますので、声でコントロールすることも、タッチパネルで指で操作することもできますから。

目的地がクルマだけではたどり着くのが難しい場所でも大丈夫

でね、ビックリしたのが、ナビの案内のズレが少ないんですよ。ディスプレイオーディオって、単に大画面モニターみたいなものだと思ってたんですが、もしかしたら違うのかも。スマホのGPSだけだともう少し道から外れてしまうことが多い場所でも、この「DMH-SF700」は外れないんです。伺ったところ、このディスプレイオーディオ自体にGPSとセンサーを持たせてあるそうで、アプリに対して位置情報を提供しているそうなんですね。どのアプリがその位置情報を使ってくれてるか…というのは、正直アプリ次第らしく断言はできないということでしたが、少なくても今回使ったグーグルマップでは使われているような感じがしました。

パイオニア カロッツェリア

というのも今回は、ある程度走ってディスプレイオーディオを試したらきっとお腹が空くだろう。だったら横浜あたりで軽くゴハンでも~ということになり、だったらボクがよく行く横浜の「チャート・ハウス」はいかがですか? と編集部の方のオススメ店をご紹介いただくことになりまして、そちらを目的地に設定させていただいたのです。ところがこのお店、結構狭い路地にあって、ナビがあまりに外れてしまうと向かうことができないようなところだったんですよ。

ちなみにこのお店は駐車場もないということで、近くの駐車場を検索しながら向かったりもしたわけですが、いちばん近くの空いている駐車場をしっかり案内してくれた上に、なんとバックモニターとしても活躍してくれるので、ドキドキすることなくクルマを停めることもできました。これは助かりますね。最後に後退するときは、絶対バックモニターあった方が便利ですし、もうバックモニターないと駐車できない世代も増えてますから。そして、クルマを降りてからはスマホのナビを使って徒歩での案内があり、迷うことなくたどり着くことができました。

ハイレゾ相当の高音質やアレクサ対応で車内のエンタメ環境が充実

ほかにもHDMI入力があるので、Amazon Fire TV Stickも活用できますし、USBデバイスやポータブルHDDなどに動画を入れておけば、それを再生することも可能。ここで驚くのが、ビックリするほど音がいいことなんですよ~。マスターサウンドリバイブ(サイバーナビに搭載している高音質化技術)で、デジタル信号に起因する高周波ノイズの低減をし、また振動の影響を受けないようなパーツの配置をすることで、メチャクチャ高音質を実現しているんですよね。オウチだと隣近所の目もあるし…ということで、ものすごく小さいボリュームで見たり聞いたりしている方もいらっしゃると思うのですが、耳に悪影響を与えない適度な大ボリュームで迫力ある音を楽しめるのもクルマならではの醍醐味です。

ちなみに今回紹介した「DMH-SF700」と同じ機能をもった、6.8インチモニター搭載の2DINディスプレイオーディオ「DMH-SZ700」もラインアップされています。ご自身のクルマにあわせて選べるというのもうれしいポイントですね。

パイオニア カロッツェリア

それから車内でも新たにブラウズして探す手間を省くために「CarAVAssist」という専用アプリの用意もございます。ここに見たいWebサイトやYouTubeなどの動画をブックマークしておくことができるので、呼び出すのも簡単なんですよね。抜かりなしです。

あ! そうだ! アレクサにも対応してますので、思ったより帰りが遅くなりそうだからオウチの電気をつけておこうとか、ロボット掃除機のスイッチ入れるの忘れたなんていうときも、運転しながら音声でコントールするなんていう離れ業もできます。ディスプレイオーディオでクルマだけじゃなくオウチの中まで、快適便利な環境が整えられちゃうんですよね。

確かにこんなことは、純正のディスプレイオーディオだとできないですし、なによりまず画面のキレイさから違いましたから、さすがはナビのパイオニアが作るものは違うなぁ~と、改めて納得させていただきました。

車載向けに開発したタブレットオーディオという選択肢も

あ! そうそう。このクルマを降りるときですが、ディスプレイをカチャンと外して外に持ち出せる、タブレットAVシステム「SDA-700TAB & FH-7600SC」というラインアップもあります。

こちらは8インチのタブレットを車内のユニットにカチャンとはめて車載ディスプレイオーディオとして、外してお外やオウチでタブレットとして使えるといったもの。すごいのは、夏は暑く冬は寒い車内環境に耐えうるべく、保管温度はマイナス30度~プラス80度まで、動作確認温度はマイナス10度~プラス60度までOKという、メチャクチャ過酷な環境でもちゃんと使えるということなんです。普通のタブレットじゃこうはいかないですからね。夏の砂浜でも、冬のスキー場でも、便利なタブレットとして活躍してくれること間違いなし。

ただし、今回ご紹介している機種はすべてWi-Fi対応のみなので、事前にアプリにダウンロードしておけばそのまま使えますが、新たに何かをブラウズしたいとき、そこにWi-Fi環境がない場合は、スマホのテザリング等でつなぐことになります。

使い方次第で、なんだか未来的なライフスタイルが手に入れられるディスプレイオーディオやタブレットAVシステムって、もうすごすぎです~。目線の適切な位置を保てるので、前のクルマが発進しないーと、他の方をイライラさせることもなくなるハズです。スムーズな交通社会にも貢献度高いですね。

筆者   竹岡 圭
OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。
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