真のオンデマンドカーナビ パイオニア新型サイバーナビの実力をチェック!

LTE常時接続がカーナビにもたらす恩恵を体感

先日はパイオニアのカロッツェリア「サイバーナビ」の最新作を紹介したが、今回は実際に使ってみてどうだったか? を含むレポートをお届けしたい。また今回は僕のYouTubeチャンネルである「L O V E C A R S!T V!」で、動画も同時にお届けしているので、こちらも併せてチェックしていただければ幸いだ。

今回サイバーナビを実際に使うに当たって、あらかじめサイバーナビをインストールしてあるパイオニアの広報車であるトヨタのヴェルファイアを借り出した。このモデルは最新のナビを試すためのモデルでありながらも、パーツメーカーとコラボして見た目もカスタマイズしているのが特徴だ。

美しいフラットデザインで室内に調和

そんなヴェルファイアに乗り込むと、まず印象的なのが今回のサイバーナビのデザイン。驚きなのは、「これって純正?」と思うほど、そのインテリアに溶け込んでおり、その上で高品質を実現していたことだ。今回のサイバーナビの特徴はフルフラットなデザインだが、これが想像以上にフィットしており後から装着した感じが全くない。また表面だけでなくサイド面まで回り込ませた質の高い造形によって、その周りを囲む枠との相性もピッタリなのだ。

今回はクルマに乗り込む前に、あらかじめスマホを使ってパイオニアのアプリ「MapFanAssist」で目的地を設定しているので、クルマに乗り込んだらそのまま目的地案内がスタートするというスマートな仕組みなのも○。そして実際に走り出しても、大きな画面がとてもみやすいのも印象的だった。

「docomo in Car Connect」によるLTE回線の常時接続が圧倒的に便利!

そして今度は実際に、撮影場所について車内でサイバーナビを徹底的にチェックしてみた。今回のサイバーナビはまず、オンライン化によって車内のエンターテイメント性能を強化したことが最大の特徴といえるだろう。

特に今回は「docomo in Car Connect」を採用したのがポイント。しかもサイバーナビ(同梱モデル)の場合は、このサービスが1年間無料で利用できるなんとも嬉しい内容になっている。LTEでの通信が速度/量に関係なく使い放題になるので、それによって車内のエンターテイメント性能を存分に引き出せるようになった。

通信容量を気にせずYouTubeが楽しめる

例えばストリーミングビデオを思う存分楽しめるようになったのは「docomo in Car Connect」の大きな恩恵。最近ではYouTubeを楽しむのが常識になってきているが、これを車内でも同様に楽しめるようになった点はデカい。さらにいうならばYouTubeを使って検索をしている人も多く、様々なノウハウの紹介や観光スポットの紹介なども投稿されている。なのでこのサイバーナビがインストールされている車で出かけた際には、「docomo in Car Connect」のLTE使い放題を利用して出先での情報収集にも使えるわけだ。

自宅のレコーダーにアクセスして録画も、リアルタイム視聴もできる

さらに今回のウリとして「レコーダーアクセス」という機能があるが、これも今回実際に試してみた。車内で自宅のレコーダーにアクセスしてこれまで録画した番組を視聴することも可能だった。加えて地上波はもちろん、CSやBSなどのデジタル放送にもアクセスできる。これによって例えば通常の電波が入りにくい場所でも、通信さえ確立されていれば安定して視聴することも可能だ。さらにいえば、遠く離れた場所でも自宅の地域エリアの番組を視聴可能にしている。このように通信がリッチになったことによってこれまでにない自由度の高いエンターテイメント環境が出来上がっている。

美しい映像と美しいサウンドでエンタメ性能がさらにアップ!

また今回HD画質になった点も大きなところで、例えば「ストリーミングビデオ」でYouTubeを見ても非常に高精細で美しい映像を視聴することが可能だった。同時に音質もかなり進化しており、「マスターサウンドリバイブ」という機能によって音質が引き上げられてハイレゾ相当を実現していた。画質も音質も高まったことは今回実際に使って明らかで、特にあらかじめ録画しておいた映像の美しさはかなりのものだった。

スマホやタブレットがつなぎ放題

さらに新型サイバーナビは「アクセスポイントモード」を備えることで、車内にWi-Fi環境が生まれている。これによって1度に5台までのスマートフォンやタブレットなどの機器をWi-Fiで接続することが可能だ。だから例えば家族5人で出かける際に全員分のスマホをWi-Fiで使うことができる。現代の生活においてスマホは1人1台が当たり前になっているので、車の中でこうしたWi-Fi環境の実現はかなり嬉しいところだ。

Amazon Fire TVスティックをHDMI接続で使える

さらに今回はこのWi-Fi機能を使ってAmazon Fire TVスティックを使うこともできる。Amazon Fire TVスティックはご存知のように様々なネット視聴サービスを用意する。最近は特にウェブ放送だけの人気ドラマなどもあるから、それらをチェックする際にも使える。そう考えるともはやリビングが車内に構築される感覚だ。

実際に動画を撮影・編集してアップしてみたら?

そして今回はこのサイバーナビの機能をフルに生かして実際に車内のWi-Fi環境から、今回同時に撮影を行った動画をYouTubeに投稿。そしてこれを「ストリーミングビデオ」で視聴することも行ってみた。

実際に撮影した簡単なオープニングを、車内のサイバーナビを使ってWi-Fi経由でアップロードすると5分もかからないうちに投稿が完了する。そして今度はYouTubeにアクセスしてLOVECARS!TV!のチャンネルにきちんと動画が投稿されていることが確認できたのだった。この辺の模様は実際の紹介動画でもチェックしてもらいたい。

使ってみて分かったパイオニア 新型サイバーナビのスゴさ

今回サイバーナビを実際に使ってみて、時代は大きく変わったということを痛感したのだった。もちろんナビとしての機能が高く、例えばマップに表示されている店舗に駐車場があるかなどの細かな情報までをも教えてくれるほどの細かな地図を搭載していたり、地図自体も運転中にさらに見やすくしているなど、細かな改良が施されている。それらを含めたナビゲーションシステムとしての性能は確実に進歩させた一方で、今回のエンターテイメント性の強化は他を大きく引き離すと同時に、何よりユーザが今望んでいる環境を作り上げた点が意義のあることである。

パイオニア カロッツェリア 新型サイバーナビ

つまりサイバーナビはナビゲーションシステムとしての領域を拡大し、車内によりエンターテイメントな要素を多く盛り込んだ。これは自動車が今後どのような使われ方をするかを考えた際に、とても有効な要素になっていくことは間違いないだろう。そんなふうに感じた今回の新型サイバーナビ体験だった。

筆者   河口 まなぶ
1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。
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