ハイエース用内装パーツなどで人気のブランド「クラフトプラス」 国内工場で職人によるハンドメイド製作にこだわる理由とは?/クラフトプラス【Vol.12】

自社生産にこだわったモノ作りを行うクラフトプラス

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岐阜県の本巣市に、日本の木工職人が伝統技法を駆使しながら、メイドインジャパンによる高品質にこだわったカーインテリアパーツを製作しているモノ作りの現場があります。その企業は「BEANS(ビーンズ)」。同社の工場で生産されている「CRAFT PLUS(クラフトプラス)」ブランドの商品は、多くのクルマ好き・アウトドア好きのユーザーから高い評価を受けています。

同ブランドでは、トヨタ ハイエース用のセンターコンソールや高い収納力とスマートさが魅力の「CP100」をはじめとするベッドキット、車両に乗り込む際や走行時にも手で触れるアシストグリップなどが主なラインアップ。それぞれの商品はユーザーから高い評価を受けています。

それらの商品が、どのようにして開発・生産されているのか興味のある方も多いでしょう。また、なぜ国内生産での職人のハンドメイドにこだわるのでしょうか? 今回は特別にBEANSの工場内にお邪魔し、広報部の羽賀さんよりクラフトプラスのモノづくりについてお話を伺いました。

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商品の完成形の美しさを大きく左右するのは下準備

──はじめに、クラフトプラスの商品はどんな商品を製造・販売しているのでしょうか?

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「クラフトプラスは、ハイエース用の室内パーツをメインに製造・販売しているブランドです。その生産工程は、手作業でおこなっているものがほとんど。例えば主力商品であるセンターコンソールですと、大まかに生産工程は次の6つです」

1:NCマシン(切削や研削を行う機械)で材料を切りだす

2:手作業で座彫りをあけ、ルーターで角を削ってアールをつける、斜めのデザイン加工をする

3:その素材に糊を塗布しレザーを貼り付ける

4:組み立て前の下準備をする

5:パーツを組み立てる

6:梱包・出荷する

「製造業には各パーツを仕上げる最終段階の“組み立て”という作業工程がありますが、やはり製造の花形作業だけあって、職人達にも人気の作業です。ただ、私は商品の高いクオリティは、ここに至るまでの“下準備”をどれだけ出来るかに掛かっていると考えています」と羽賀さん。

センターコンソールには、天板を開閉するために『蝶番』という金具パーツが取り付けられています。目立つパーツではありませんが、そんな蝶番を基準に他のパーツを組みあげていくため、取り付けは直角か、細かなズレはないかなど、繊細な調整が求められます。しかし、熟練した職人であれば最終工程で微調整する必要がないほどの完成度に仕上がるそうです。

他社との違いは、スタッフ誰もが対応可能な体制

──工場では、それぞれが異なる工程を担当し、流れ作業で製造していくイメージでしたが、複数人で同作業をされていますね

「通常の製造業というと、各工程を流れ作業のようにそれぞれ担当するということが多いですよね。これは弊社独自のやり方かもしれませんが、我々クラフトプラスではひとつの工程を数人が担当する仕組みを採用しています」

「弊社には繊細な作業を得意とする女性の職人たちがいます。たとえば材料にレザーを巻く作業では、力まかせに巻いてしまうシワになってしまうことがありますが、職人たちは絶妙な力加減によってクオリティの高い商品を作り上げています」

ほかにも、全員が各工程の作業内容を覚えることで、問題が発生したり、修正が必要な場合でも誰もが対処可能なようにしています。これにより、多くの目でチェックすることができ、商品も高いクオリティを保つことができるとのこと。

多くの素材をデザインに合わせ、それぞれ使い分けているセンターコンソール

──クラフトプラスの主力商品であるセンターコンソールのこだわりや魅力を教えてください

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「表面に使用する生地には、レザー、デニム、コーデュロイ、ツイード、そして帆布と大きく5種類をメインに取り扱っています」

デニム生地とレザー生地は、同じ貼り込み作業にもその巻き込み方に違いがあります。デニムはカットした生地の端がほつれがちになるため長めにカットして巻き込み、レザーは、カット面がほつれないため生地の端っこをジャストにカットするなど、素材の特性を生かして製作されています。

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ベースとなる木材についても、お客様が安全・安心してつかえるように最適なものを選んでいます。メインの素材はウォールナットとアッシュの2種類。

その他に、ハイエース用のベッド・カーゴキット『リノシェルキット』には頑丈な針葉樹合板、床パネルには床材として最適なオークやチークを使用しています」

クラフトプラスのセンターコンソールは、デザインや用途によって、素材を使い分けており、ユーザーが長く・安心して使用できるような商品を送りだしています。

▼「リノシェル」とは? 詳細記事はこちら

自社製造の強み! こまめにアップデートし商品のクオリティを高めている

──長年クラフトプラスの商品を取材してきましたが、同じ商品でもいつの間にか仕様が変更されていると感じます

「そうですね。日々商品のアップデートは行っています。たとえばロングセラーのベッドキット『CP100』のシート素材を変更しました。従来ではダイノックシートを使用していた表面をレザーに変更し、クオリティアップや細部デザインの変更を行っています。必要に応じてすぐに変更が加えられるのも、自社製造ならではですね」

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各作業工程をさまざまなスタッフが関わることで、商品の改良などの意見も活発。自社製造ですぐに対応ができるため、商品のクオリティアップにもつながっているとのこと。

>>「CP100」の詳細はこちら【公式】

▼「CP100」のMOTA詳細記事はこちら

クラフトプラスのモノづくりには欠かせない3つの「こだわり」

クラフトプラスのモノづくりでこだわっているポイントは以下の3つです。

・製作体制

・機能性の高さ

・デザイン性と素材選び

細やかなチェックが行き届く製作体制

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まずは、製作体制です。職人達が細かなところまで気を配り、商品の隅々までチェックを複数名で行うことで、商品の完成度を高めることができています。

ストレスを感じない機能性の高さ

続く2つ目は「ストレスを感じない、機能性の高さ」です。例えば、ドリンクホルダーの位置ひとつとっても、その設置場所が手の届く場所から遠いとストレスになります。

同社では、そういった使うシーンを十分に考えて設計しているため、配線がゴチャゴチャしてしまいがちな充電機能など多くの機能を盛り込みすぎないように注意しています。

純正機能に溶け込むデザイン性と素材選び

3つ目はデザイン性と素材選びです。純正機能にも溶け込みやすいシンプルなデザインになっています。また、ちょっと触りたくなる曲線を用いた『アール感』を演出。パーツの角ひとつにも美しさが宿るようにと考えてデザインされています。

素材選びでは、肌が触れるところとそうでないところの素材を使い分け、違和感のない素材を採用。そのうえで、主張しすぎないデザインであることも大事にしているとのこと。

職人によって丁寧に製作された価値ある商品をラインアップするクラフトプラス。実物をぜひ触っていただければ、その魅力がお分かりいただけるはずです。

>>プロダクトへのこだわりはこちら【公式】

他社にも商品力が信頼されているクラフトプラスの新商品

OEM(他社ブランドの製品を製造すること)も数多く手がけており、商品力が信頼されているクラフトプラス。今後新たに登場する予定の商品を聞いてみました。

「ハイエース以外の車種の要望がかなり多くなって来ています。以下の商品など自社ブランドやOEMも含め、先々まで予定がいっぱいですね」

●今後登場予定の商品

・ダイハツ ハイゼット:床パネル、アシストグリップ

・トヨタ プロボックス:床パネル、アシストグリップ

・トヨタ タウンエース:床パネル、ベッドキット

・三菱 デリカD:5:床パネル、ベッドキット

・日産 キャラバン:床パネル、ベッドキット

──床パネルの商品化が多いのですね。これには何か理由があるのですか?

「車両純正の床材にはモケット生地が多く使われています。これが汚れやすいために、木素材の床パネル製造の依頼が増えているのでしょう。

新登場予定の車種以外にも、床パネルなどの開発は可能です。OEMでの製作のご要望があればご相談ください」

国内工場を持つクラフトプラスでは商品の開発も得意としており、他社からの相談も随時受け付けているとのこと。クラフトプラスでいまは扱っていない車種でも、試作用のクルマを用意してもらえれば製作が可能。興味のあるメーカーさんは一度相談してみてはいかがでしょうか。

無垢材から生み出される唯一無二であるクラフトプラスの製品

クラフトプラス

今回はクラフトプラス商品の国内の自社工場へと特別にお邪魔したことで、そのクオリティの高さを維持している理由が実感できました。無垢材から生み出される数々の製品を始め、長年愛着が湧いてきそうなアイテムには作り手である職人たちの繊細な技術と努力も垣間見えた気がします。ぜひ愛車を彩る相棒としてクラフトプラスの製品を選んでみてはいかがでしょうか。

>>クラフトプラスのオフィシャルサイトはこちら

クラフトプラス/7th E-Life!

また、今回ご紹介したクラフトプラスだけではなく、プロダクトブランドとして「7th E-Life」を展開するBEANS。様々なイベントで出展をしていますので、機会があればぜひ商品を手で触れてクオリティの高さを感じてみてください。

イベントなどの詳細はオフィシャルサイトをチェックしてみてください。

>>「7th E-Life」のオフィシャルサイトはこちら

筆者   木村隆之
自動車カスタム誌編集長を経てフリーランスへ。多くのドレスアップカーやカスタムシーン、アフターパーツを取材し、ウェブ・雑誌媒体に寄稿。アウトドアやキャンプ好きで、自ら改造した軽バンでキャンプに出掛けることも。
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Brand Info - クラフトプラス

CRAFTPLUS(クラフトプラス)は、1999年9月に立ち上げた有限会社ビーンズが運営するハイエースのインテリアパーツを設計・製造しているブランドだ。同ブランドの特徴は、他では見る事のできないハイセンスなデザインと機能性の高いインテリアパーツをハンドメイドで製造していることにある。クラフトプラスが製造するベッドキット・コンソールボックス・アームレスト等の各種インテリアパーツは、オシャレに敏感なユーザーからも高い評価を得ており、年々ファンを増やし続けてている。そんなクラフトプラスが提案するライフスタイルプロジェクトが“7th E-Life”だ。

【お問い合わせはこちらから】

Corporate Profile

企業名:有限会社ビーンズ

郵便番号:501-0413

住所:岐阜県本巣市見延406-1

TEL:058-322-5530

営業時間:8:30~17:30

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